日本睡眠学会第50回定期学術集会に登壇いたしました

抄録表紙

 

一般社団法人 睡眠時無呼吸症候群に打ち克つための患者の会は、「日本睡眠学会第50回定期学術集会・第25回日本睡眠歯科学会学術集会・第7回日本睡眠検査学会学術集会」の合同学術集会に登壇いたしました。

 

 

今回、当団体からは

「睡眠時無呼吸症候群患者における主観的睡眠問題と支援ニーズの検討 ―患者の声からの示唆―」

をテーマに発表を行いました。

患者の「生活の中での困りごと」を医療・研究の場へ

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療では、AHI(無呼吸低呼吸指数)やCPAPの使用時間、リークなど、客観的なデータが治療を評価するうえで重要な指標となります。

一方、当会へ寄せられる相談や患者の声に耳を傾けると、その数値だけでは表現しきれないさまざまな悩みがあることが分かります。

「眠いのに眠れない」

「息苦しさで目が覚めてしまう」

「CPAPを使用していても熟睡した感覚がない」

「マスクが合わず、夜中に目が覚めてしまう」

「治療について、どこまで相談していいのか分からない」

こうした声は、一人ひとりの生活の中で起きている問題です。

今回の発表では、当会に寄せられた患者の声をもとに、患者が日常生活の中で感じている睡眠の問題や、治療を継続するうえでの困りごと、そして今後求められる支援について共有しました。

「CPAPを使うこと」から「CPAPを使い続けられること」へ

患者の声から見えてきた大きな課題のひとつが、CPAPを導入した後の支援です。

CPAP治療を開始しても、

  • 圧が苦しく感じる
  • 鼻が詰まる、乾燥する
  • マスクから空気が漏れる
  • マスクが自分に合わない
  • 結露が気になる
  • 夜中に無意識に外してしまう

など、さまざまな問題が起こることがあります。

一つひとつは小さな問題に見えても、患者本人にとっては「治療を続けられるかどうか」を左右する大きな問題になる場合があります。

また、実際に当会へ寄せられた声の中には、使用するマスクの種類を変えたことで、CPAPを継続して使用できるようになったというケースもありました。

機器やマスクとの相性、圧設定、加湿、鼻の状態、生活環境など、CPAPを継続するために必要な条件は一人ひとり異なります。

だからこそ、患者自身が困りごとを相談でき、自分に合った方法や選択肢にたどり着ける環境が重要だと私たちは考えています。

患者だからこそ届けられる声がある

今回の発表は、統計的な研究として患者全体の傾向を示すことを目的としたものではありません。

一方で、日々患者と接する中で寄せられる声には、診察室や検査データだけでは見えにくい「生活者としての実感」があります。

熟睡できているのか。

 

朝起きたときに苦しさが残っていないか。

日中の眠気によって仕事や運転に影響が出ていないか。

CPAPをつけて眠ること自体に不安を感じていないか。

そして、困ったときに相談できる場所があるのか。

こうした患者の実感も医療や研究へ届けていくことが、患者会の大切な役割の一つだと考えています。

医療・研究と患者をつなぐ存在を目指して

当会では、睡眠時無呼吸症候群に悩む方々に向けて、患者目線での情報提供や相談対応、患者の声の発信などを行っています。

また、CPAP治療を必要とする方が自分に合った選択肢を知るきっかけとして、複数のCPAP機器やマスクを実際に試すことのできる体験の機会づくりにも取り組んでいます。

患者同士の経験や情報交換は、医学的な診断や医療者による治療に代わるものではありません。

だからこそ私たちは、医療と対立するのではなく、医療者・研究者・事業者・患者がそれぞれの立場から協力できる環境をつくることが重要だと考えています。

患者の声を医療・研究へ届けること。

そして、医療や研究によって生まれた知見を、患者に分かりやすい形で届けること。

その双方をつなぐ存在として、患者がより安心して治療と向き合い、自分に合った治療を継続できる社会を目指してまいります。

このたび、このような貴重な機会をいただきました日本睡眠学会、日本睡眠歯科学会、日本睡眠検査学会の関係者の皆さま、ならびに日頃より睡眠医療の発展にご尽力されている皆さまに、心より御礼申し上げます。

 

発表風景

一般社団法人
睡眠時無呼吸症候群に打ち克つための患者の会