睡眠時無呼吸症候群での運転のリスク
日本でも
睡眠時無呼吸症候群による居眠り運転の問題が言われて久しいですが、アメリカでも居眠り運転が大きな問題となっています。今回はアメリカの様子についてご紹介したいと思います。
居眠り運転による死亡事故が毎年6400件も
全米安全評議会(NSC)によると、毎年6,400件以上の居眠り運転による死亡事故が発生しているそうです。この数値の大きさには驚かされますが、やはり米国でも航空、鉄道、バス、海運など、あらゆる輸送手段において睡眠時無呼吸症候群はプロドライバーの間で一般的なものとなっているようです。
睡眠時無呼吸症候群は治療も可能な疾患であるものの未治療のまま放置すると、安全面、健康面、経済面で深刻な影響が生じる可能性があります。
商用トラック運転手のほぼ3分の1(28%)が睡眠時無呼吸症候群
ペンシルバニア大学が実施し、連邦自動車運送安全局(FMCSA)と米国トラック協会の米国運輸研究所が後援した研究によると、商用トラック運転手のほぼ3分の1(28%)が軽度から重度の睡眠時無呼吸症候群を患っているそうです。
日本でも「要精密検査者35.7%」(※1)というデータがあり、いずれもドライバーの中に睡眠時無呼吸症候群の患者が3分の1程度いる可能性が伺えます。
(※1)2020年度運輸ヘルスケアナビシステムⓇ利用者のSASスクリーニング検査分析より
睡眠時無呼吸症候群の運転への影響
睡眠時無呼吸症候群はドライバーの睡眠に影響を及ぼすため、日中の注意力やパフォーマンスにも影響を及ぼします。未治療の睡眠時無呼吸症候群は、自動車の運転者が覚醒状態を維持し、目の焦点を合わせ、運転中に素早く反応することを困難にします。さらにはその他の深刻な疾患、例えば心血管疾患や脳血管疾患、代謝障害、神経認知機能の障害とも関連しており、安全運転への影響が懸念されます。
居眠り運転は驚くほど一般的であり、米国の成人ドライバーの半数以上が、常に眠気を感じながらハンドルを握っていることを認めており、約37%が居眠り運転をしたことがあると認めています。
CPAP以外の睡眠時無呼吸症候群の治療法も
睡眠時無呼吸症候群の治療法としてよく知られているものに、CPAP療法があります。CPAP療法では、一定の安定した空気圧を患者に与え、睡眠中の呼吸を助けます。この治療法は、特に重度の睡眠時無呼吸症候群には非常に効果的ですが、誰にでも効果があるわけではありません。
軽度から中等度の治療法をお探しの患者さんや、CPAP療法に耐えられない、あるいは継続するのが難しい患者さんは、そのほかの治療法のことを学び、試すことが求められます。
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参考文献:
Drowsy Driving: Dangers and How To Avoid It | Sleep Foundation
Worried about nodding off behind the wheel? Learn about the causes and dangers of drowsy driving and practical tips to recognize and avoid driving when tired.
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