いびきの原因とは?毎日のいびきを放置してはいけない理由

いびきは、“睡眠時無呼吸症候群”のサインかも???
「最近いびきが大きいと言われる」
「自分のいびきで目が覚める」
「朝起きても頭がスッキリしない」
その“いびき”、実は身体が発している 重大なサイン かもしれません。
慢性的ないびきの多くは、ただの疲労や飲酒ではなく、睡眠時無呼吸症候群(SAS) の可能性があります。
放置すると健康リスクが高まり、日常生活にも大きな影響を及ぼします。
しかし、SASは検査と治療で改善できる疾患でもあります。
なぜ、いびきが起こるのか?
いびきの医学的メカニズム
いびきは、眠っている間に気道(空気の通り道)が狭くなることで発生します。
空気が狭い場所を無理に通ろうとしたときに粘膜が振動し、音が鳴ります。
【いびきの基本メカニズム】
- 睡眠時、全身の筋肉が緩む
- 舌や喉の筋肉も緩み、気道が狭くなる
- 空気が勢いよく通過 → 粘膜が振動 → いびき音に
つまり、いびきは「気道が狭くなっています」という身体からの警告とも言えます。
そして、気道の狭さがさらに悪化すると…
いびきは“無呼吸”へ進行します。
いびきの主な原因
生活習慣と体質が大きく関与しており、いびきは複数の要因で起こります。
① 肥満(首周りの脂肪)
首回りに脂肪がつくと、喉を外側から圧迫し、気道を狭めます。また筋肉がついている場合も同様のことが起こり得ます。アメフト選手など若いアスリートの中にもSASの人がいる原因の一つとなっています。
② 飲酒
アルコールが筋肉を緩め、舌が喉の奥に落ち込みやすくなります。
③ あお向け寝
仰向けは、舌根が下がり喉を塞ぎやすい姿勢です。
④ 鼻づまり
鼻が詰まると口呼吸になり、喉が乾燥し、いびきが悪化します。
⑤ 加齢による筋力低下
気道を支える筋肉が弱り、いびきが起こりやすくなります。
⑥ 顎の形(下顎が小さい)
先天的に下顎が小さいと気道スペースが狭くなります。
⑦ 喫煙
喉の粘膜が炎症で腫れ、気道を圧迫します。
これらは単体でもいびきを引き起こしますが、複数が重なると症状は顕著になります。
“危険ないびき”とは?
以下のいびきが見られる場合、ただのいびきではなく 睡眠時無呼吸症候群(SAS) が疑われます。
【SASが疑われる特徴】
- 断続的ないびき(止まる → 再開する)
- 呼吸が止まっていると言われた
- 寝ているのに何度も目が覚める
- いびきの最後に「ガッ」「ヒュッ」と苦しそうな音
- 朝の頭痛・日中の強い眠気
- 熟睡感がない
これらは、睡眠中に何度も気道が塞がり、脳が酸素不足に陥っているサインです。
【放置すると起こりやすい疾患】
- 高血圧(特に治療抵抗性)
- 不整脈(心房細動など)
- 脳卒中・心筋梗塞
- 糖尿病
- 動脈硬化
- 居眠り運転などの事故リスク増大
いびきは「うるさい音」だけではありません。
将来の健康を左右する重要な症状 なのです。
いびきの自己チェック
あなたはいくつ当てはまりますか?
下記に複数当てはまる場合、専門的な検査をおすすめします。
- いびきが慢性的(週3日以上)
- 家族から呼吸が止まっていると言われた
- 朝起きると頭が痛い
- 昼間とにかく眠い
- 集中力が続かない
- 体重が増えてきた
- 血圧が高め
- 寝汗が多い
- 朝の喉の乾燥が強い
3つ以上:注意
5つ以上:検査推奨
7つ以上:睡眠時無呼吸症候群の可能性が高い
いびきの改善方法
生活改善〜医療的治療まで
① 生活習慣の改善
- 減量
- 飲酒を控える
- 横向きで寝る工夫
- 鼻づまりの治療
- 禁煙
軽症のいびきには効果がありますが、根本改善には限界もあります。
② マウスピース
下顎を前に出し、気道を確保する方法。
ただし、
・顎関節の負担
・調整の難しさ
・効果の個人差
といった課題があります。
③ CPAP治療(中等症〜重症の第一選択)
いびきと無呼吸の“原因そのもの”である 気道の狭窄 に直接アプローチする治療です。次章で詳しく説明します。
なぜCPAP治療がいびきに効くのか?
CPAP(シーパップ)治療は、睡眠中に一定の空気を送り込み、気道を押し広げる治療法です。
■ CPAPの効果
- 無呼吸の解消
- いびきのほぼ完全な消失
- 夜間の酸素低下を防ぐ
- 朝の怠さ、頭痛の改善
- 日中の眠気改善
- 血圧の安定
“いびき治療”として見ても、CPAPは非常に効果が高く、「家族から感謝された」「ぐっすり眠れるようになった」といった声が多く聞かれます。
■ 最近のCPAPは進化しています
- 小型・軽量
- 静音設計
- 自動圧調整(APAP)
- 水洗い可能な部品が増え衛生的
- 装着感が改善
以前のイメージとは大きく異なり、治療を続けやすい機器が増えています。以下の画像は最新機種の一例です。(当患者の会では、複数メーカーの機種を無料で試すことができます。)
まずは“いびきの原因を知る”ことから
— 自宅でできる睡眠検査 —
いびきの原因が生活習慣か、SASなのかは、検査しないと判断できません。
現在は、自宅でできる簡易検査が主流になっています。
鼻下や指先に小さなセンサーをつけて一晩眠るだけです。
検査結果に応じて、
- CPAP
- マウスピース
- 生活改善
などの最適な治療が選択されます。
専門医の診断のもとで進められるため、安心して検査を受けていただけます。
またESS問診票を用いて、簡単なセルフチェックもできます。
いびきは改善できる症状です
— 検査と治療で日常が大きく変わる —
いびきは「体質だから仕方ない」と思われがちですが、医学的には改善できる症状です。
特に、睡眠時無呼吸症候群によるいびきは、適切な治療で驚くほどよくなります。
- 朝のスッキリ感
- 集中力の回復
- 血圧や健康指標の改善
- 家族の睡眠の質向上
いびきで悩む方の多くが、治療をきっかけに“本来の生活リズム”を取り戻しています。
「ただのいびき」と思わず、ぜひ一度、原因を調べてみてください。
睡眠の質は、あなたの心身の健康を支える大切な基盤です。
患者の会からのメッセージ
私たち「睡眠時無呼吸症候群に打ち克つための患者の会」では、同じ悩みを抱える方々が安心して相談できる場所を提供しています。
詳しくは以下をご覧ください。
無呼吸&いびき相談室

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