CPAP(シーパップ)を使わなくて済むようになった人の割合は?

岡部クリニック(宮城県仙台市)様が

「導入後10年間のCPAPの継続状況と中止理由の検討」というレポートを公開されています。
非常に重要な資料ですので、まずはそのまま以下に引用させて頂きます。

(引用ここから)

【目的】CPAP導入後10年間のCPAP中止時期と理由、特にCPAPが継続できなくなった合併症を明らか にすること。

【方法】2002年より2007年に当院にて睡眠時無呼吸症候群を疑い終夜睡眠ポリグラフィー検査を施行 した2715例中、CPAPを導入した20歳以上の1308名(男性1191名平均年齢51歳  平均BMI28.6)の導入後10年間のCPAPの継続状況、中止理由を診療録を元に解析した.

【成績】
CPAP導入した1308名中、他院紹介436名と自費購入9名、連絡が取れなくなった8名を 除いた855名の経過を解析した。CPAP導入10年後に経過観察可能症例の58%、493名が CPAPを継続していた。CPAPが不要となり中止したのは6%で、歯科治療への変更27名、 耳鼻科治療や減量による自他覚所見の改善が24名であった。合併症以外の理由でCPAPが 継続できず中止したのは28%で、CPAP装着困難が112名、経済的事情や海外赴任、患者 希望などが125名であった。合併症により中止したのは9%で、合併症による継続困難が49名、 死亡25名であった。CPAPを中止した主な合併症としては、悪性新生物が27名(死亡5名)、 心疾患5名(死亡1名)、脳血管疾患13名(死亡5名)、不慮の事故5名(死亡4名)、精神 疾患5名(死亡1名)などであったが、原因不明の突然死が6名あった。導入3年後のCPAP 継続率は71%で、合併症以外の理由での中止は3年以内が多く、合併症による中止は3年 以降が多かった。

【結論】
CPAPの中止は導入早期が多く、3年後まではCPAP自体の要因による中止が多く、3年後 以降は合併症による中止が多かった。合併症による中止理由は日本人男性の死亡原因 比率とほぼ同様だった。
CPAP導入10年後に経過観察可能症例の58%、493名が CPAPを継続
CPAPが不要となり中止したのは6%(歯科治療への変更27名、 耳鼻科治療や減量による自他覚所見の改善が24名)
併症以外の理由でCPAPが 継続できず中止したのは28%

(引用ここまで)

出典:導入後10年間のCPAPの継続状況と中止理由の検討

このレポートは

医療機関が1,000人近い患者のデータを取得しており十分に信頼できるものだと考えます。

その上で、まず855名の内で、CPAPが不要となり中止したのは6%、わずか51名しかいないことと、58%、493名が10年以上継続して使用していること。この数字にはとても驚かされました。

つまり約6割もの人が「一度CPAPをしたら、10年以上ずっと使い続けている」状態なのです。
もちろんCPAPを着けたからといって睡眠時無呼吸症候群そのものが治癒できるわけではないので、当たり前と言えば当たり前なのかも知れません。

しかし実際にCPAPを装着したことがある方ならわかると思いますが、
「・・・あれをずっと使い続けなくてはならないのか」
と思うと、なんとも言えない気持ちになります。

繰り返しますが

「CPAPが不要となり使用を中止した=6%」というのは、あまりにも希望がない数字です。
CPAPを着け続ける暮らしが、私たち患者のゴールではありません。

CPAPを使わなくて済む人を、あの快適な日々を取り戻せる人を、もっともっと増やしたい。855人中たった51人ではなく、300人、500人、いや、できれば855人全員がCPAPを外せる生活を取り戻す。

それこそが、私たちが目指すものです。

 

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