睡眠の質の低下がもたらす問題。睡眠時無呼吸症候群(OSA)が今後30年で急増?

予測と対策 - 2025年の最新研究から見える未来

睡眠時無呼吸症候群(OSA:Obstructive Sleep Apnoea)とは、睡眠中に上気道が繰り返し閉塞し「呼吸が止まる/浅くなる」状態を繰り返す疾患です。これにより睡眠の質が低下し、日中の強い眠気・疲労・集中力低を引き起こすほか、高血圧・心血管疾患・糖尿病などの重篤な合併症リスクが上昇することが知られています。

多くの患者が無自覚であるまま経過し、社会的・健康的損失が見えにくい「隠れた疾患」として問題視されています。

最新研究の警鐘 ─ 30年後の OSA 症例数は大幅増加

2025年に発表されたモデリング研究では、2020〜2050年にかけて OSA の患者数と有病率の大幅な増加が予測されています。

主な予測結果

・ 2050年には約 7,660万人の成人(30–69歳) が OSA を持つと推計。
・ 全体の 有病率は約34.3% → 46.2%へ増加
・ 女性の増加率(+65.4%)が男性(+19.3%)を大きく上回る

これは今後の 人口高齢化・肥満増加トレンドが大きく影響していると考えられています。
(この論文の女性の増加率に関する部分を別ページで詳しく解説しています。)

なぜ OSA は増えるのか? 主要要因をわかりやすく

この研究は、次の3つの主要要因をもとに将来予測を行っています。

高齢化

加齢に伴い気道筋の機能が低下しやすく、OSA の発症リスクが高まる傾向があります。

肥満率の上昇

肥満(BMI ≥30)は OSA の最大の可変リスクであり、気道閉塞を助長します。

性別差

女性は閉経後に OSA の有病率が急増する傾向があり、今後女性患者の割合が大きく増えると予測されています。

睡眠時無呼吸症候群が社会にもたらす影響

OSA は医療面だけでなく 社会的な損失にも大きく影響します。米国の過去の白書によれば、未治療 OSA の総コストは既に 1500億ドル以上 と推計されています(生産性低下、医療費、交通事故損失などを含む)※本研究内の引用。

現在の標準治療と今後の方向性

CPAP(持続陽圧呼吸療法)

OSA のスタンダードな治療として最も広く使われています。

体重管理

肥満改善は OSA の改善にもつながるため、生活習慣療法や医療的介入(例:GLP-1薬)も注目されています。

 あなたができること

・ 日中の強い眠気・いびき・起床時の頭痛・集中力低下を感じる人は、一度検査を検討しましょう。
・ お近くの医療機関で 睡眠検査(PSG/簡易検査) を受けることをおすすめします。
・ 生活習慣(体重、運動、飲酒・喫煙)を改善し、睡眠の質を見直しましょう。

最後に

本研究は米国データを対象としていますが、人口動態や生活習慣の変化は日本でも進行中です。
将来の健康リスクを正確に知り、早期の行動と社会的な支援体制を整えることが、これからの OSA 対策において極めて重要です。

参考文献

Boers E, Barrett MA, Benjafield AV, et al. Projecting the 30-year burden of obstructive sleep apnoea in the USA: a prospective modelling study.
The Lancet Respiratory Medicine, Volume 13, Issue 12, 2025.

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※ 本記事は、医学的アドバイスや診断を目的とするものではなく、内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではありません。記事内容に基づく判断や行動について、当会では一切の責任を負いかねます。健康に関わる重要な判断は、必ず医療機関にご相談ください。