睡眠時無呼吸症候群で使うCPAPとは?

睡眠時無呼吸症候群とCPAP治療

患者の会があらためて整理する、基本知識と機器の選び方

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に呼吸が断続的に止まる、あるいは浅くなることを繰り返す疾患です。特に多いのが閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)で、気道が狭くなる・塞がることが原因で発症します。

このOSA治療の標準的な方法として、現在広く用いられているのが CPAP療法(持続陽圧呼吸療法) です。患者の会としても、「CPAPという言葉は聞いたことがあるが、仕組みや機器についてはよく分からない」「本当に一生使い続けるものなのか不安」といった声を多く耳にします。

そこで本記事では、CPAPの基本的な考え方から、機器の種類や特徴までを整理します。

CPAP療法とは何をしている治療なのか

CPAPとは Continuous Positive Airway Pressure の略で、日本語では「持続陽圧呼吸療法」と呼ばれます。簡単に言えば、空気の力で、睡眠中の気道を内側から支える治療です。

無呼吸が起きるのは、睡眠中に喉や舌の周囲の筋肉がゆるみ、気道が潰れてしまうためです。
CPAPは、一定の圧力をかけた空気を送り続けることで、気道が塞がらないように保ちます。

 呼吸を「助ける」のではなく、気道を「開いた状態に保つ」という点が重要なポイントです。

CPAP機器の基本構成

CPAP機器は、どのメーカーのものでも概ね以下の要素で構成されています。

① 本体(ブロワー)

小型の送風装置で、一定の空気圧を作り出します。
近年の機器は非常に静音化が進み、就寝中の動作音が気になるケースは減っています。

② チューブ(ホース)

本体からマスクへ空気を届ける管です。軽量で柔軟性のある素材が使われています。

③ マスク

顔に装着する部分で、CPAP治療の「使い心地」を左右する最重要パーツです。

・ 鼻だけを覆う 鼻マスク
・ 鼻と口を覆う フルフェイスマスク
・ 鼻孔に差し込む ピロータイプ
など、複数のタイプがあります。

いかに自分に合うものを探すかが重要なポイントと言えます。
夜中にトイレに行くときに、マスクをいちいち外さなくても手元でホースと分離できるタイプのものもあります。

④ 加湿器(内蔵または外付け)

空気の乾燥による鼻・喉の不快感を軽減するための装置です。
必須の装置ではなく、なくても大丈夫という方も少なくありません。
オプション対応の機種・内臓型のものがあります。

CPAP機器にはどんな種類がある?

CPAP機器と一口に言っても、実はいくつかのタイプがあります。

固定圧CPAP(スタンダードタイプ)

あらかじめ設定された一定の圧力を、睡眠中ずっと送り続けるタイプです。

特徴

・ 構造がシンプル
・ 医師の設定通り安定した治療が可能
・ 初期から広く使われてきた方式

自動調整CPAP(APAP)

睡眠中の呼吸状態を感知し、必要に応じて圧力を自動で調整します。

特徴

・ 無呼吸や低呼吸が起きた時だけ圧が上がる
・ 圧迫感が少なく感じられる人も多い
・ 現在は主流になりつつある方式

※患者の会としては、APAPをお勧めします。無料体験会などで「こちらの方が圧倒的に呼吸が楽になる!」というのが、多くの体験者の声です。

国内で使われている主なCPAP機器メーカー(参考)

ここでは 特定製品の推奨ではなく、国内で流通している代表的なメーカーを紹介します。

・ フィリップス・レスピロニクス
・ ResMed
・ フクダ電子
SEFAM
ソムネティクス・インターナショナル(Transcend micro)

上記でリンクを貼っているところは、自費購入が可能なサイトです。

CPAP治療が「合わない」と感じる理由

患者さんから多い声として、次のようなものがあります。

・ マスクが苦しい
・ 空気が強すぎる感じがする
・ 乾燥して喉が痛い
・ 装着が面倒で続かない

これらの多くは 機器そのものではなく、設定やマスクの選択が合っていない ことが原因です。

CPAP治療は、「慣れ」ではなく「調整」が非常に重要です。

CPAPは一生続けなければならない?

これは非常によくある質問です。
結論から言うと、
・ CPAPは根治治療ではない
・ しかし 使っている間は確実に症状を抑える治療
です。

実際に10年以上使用されている方もおられます。関連記事
体重減少や生活習慣の改善、外科的治療などによって、将来的にCPAPが不要になる人もいます。
一方で、CPAPによって安全に眠れる状態を維持すること自体が治療の目的 という考え方もあります。

患者さんの実体験から見えるCPAP治療

CPAP治療については、医学的な説明だけでは分かりにくい部分も多くあります。ここでは、患者の会に寄せられた声をもとに、個人が特定されない形で編集した体験談 をご紹介します。

ケース1.強い眠気が「年齢のせい」だと思っていた

50代・男性(会社員)

日中の眠気が強く、会議中に意識が飛びそうになることが増えていました。
「年齢のせい」「疲れているだけ」と思っていましたが、家族からの勧めで検査を受け、重度の睡眠時無呼吸症候群と診断されました。

CPAPを使い始めた当初は、マスクの違和感があり、正直なところ「本当に続けられるのか」と不安でした。ただ、数週間たつと朝の目覚めが明らかに違い、昼間の眠気も軽くなっていることに気づきました。今では、「眠れる状態が普通だった」ことを初めて知った感覚があります。

ケース2.「一生機械に頼るのか」という不安

40代・女性(パート勤務)

CPAPを勧められた時、「一生使い続けるのではないか」という不安が一番大きかったです。
機械をつけて寝ること自体に抵抗があり、最初は前向きになれませんでした。

医師やスタッフの説明で、「CPAPは今の状態を安全に保つ治療」であり、「必ずしも一生続けると決まっているわけではない」と聞き、気持ちが少し楽になりました。

今は、体調を安定させるための選択肢の一つとして受け止めています。

ケース3.マスクが合わず、途中で挫折しかけた

60代・男性(自営業)

CPAPを始めたものの、マスクが合わず、顔の圧迫感や空気漏れが気になっていました。
「自分には向いていないのでは」と感じ、一時は使用をやめようと思ったこともあります。

相談したところ、マスクの種類を変更し、圧力設定も微調整してもらいました。
すると驚くほど楽になり、「合わなかったのは機器ではなく、設定だった」と分かりました。

CPAPは我慢して使うものではなく、調整しながら使うものだと実感しています。

ケース4.家族の安心につながったCPAP

50代・男性(家族からの声を編集)

以前は、夜中に呼吸が止まっているように見え、家族としても心配でした。
CPAPを使い始めてからは、呼吸が安定し、いびきも減りました。

本人だけでなく、一緒に暮らす家族が安心して眠れるようになったという点も、CPAP治療の大きな変化だと思います。

患者の会としてのまとめ

CPAPは決して万能な治療ではありません。

ただ、
「よく分からないまま使う治療」から
「納得して選び、調整しながら続ける治療」
へと変わることで、受け止め方も大きく変わります。

CPAP治療は、始める前よりも「理解した後」のほうが続けやすい治療 と言えるかもしれません。

患者の会としては、正確な情報と、実際の声の両方に触れながら判断してもらうことが重要だと考えています。

私たち患者の会でも睡眠時無呼吸症候群やCPAPに関するご相談を受け付けています。
CPAPの無料体験も可能です。以下からご相談・ご連絡ください。


 

※ 本記事は、医学的アドバイスや診断を目的とするものではなく、内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではありません。記事内容に基づく判断や行動について、当会では一切の責任を負いかねます。健康に関わる重要な判断は、必ず医療機関にご相談ください。

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