夜、呼吸やいびきが止まっていると言われました。本当に危ないのでしょうか?

患者の会にお寄せ頂いた質問や、やり取りの中から、共有しておいた方が良いと思われるものを順次記事化しています。皆様の参考になることがあれば幸いです。

そもそも呼吸とは?

私たちは、鼻や口から空気を取り込み、肺を広げて酸素を体内に取り込んでいます。
同時に、体の細胞が作り出した二酸化炭素を肺へ戻し、息を吐くことで体外へ排出しています。

この「空気の出し入れ」が呼吸であり、胸やお腹が連動して動くことを呼吸運動と呼びます。
呼吸は、体の中の酸素量・二酸化炭素量を適切に保つために欠かせない仕組みです。

なぜ寝ている時に呼吸が止まることがあるのか?

睡眠中の無呼吸には、主に2つの原因があります。


① 気道(空気の通り道)がふさがってしまうタイプ:閉塞性無呼吸

気道は、鼻・口・咽頭・喉頭・声門・気管・気管支へと続く空気のルートです。眠っている間は筋肉がゆるむため、通常より気道が狭くなりますが、多くの場合は呼吸に支障はありません。

しかし、

・ のど周囲の筋肉が弱くなる
・ 舌が落ち込みやすい形状
・ 肥満や加齢
・ 日本人に多い「もともと気道が細い骨格」

などの要因で、完全に気道が閉じてしまうことがあります。
呼吸しようと胸が動いても空気が入らず、これが「閉塞性無呼吸」です。


② 脳の“呼吸中枢”から指令が出なくなるタイプ:中枢性無呼吸

呼吸のリズムは脳が管理しており、血液中の酸素・二酸化炭素の変化に合わせて指令を出しています。

ところが、

・ 心不全
・ 脳疾患
・ 薬剤(特に麻薬性鎮痛薬など)
・ その他の神経機能の障害

により、この指令が一時的に途絶えてしまうことがあります。
これが 中枢性無呼吸 です。


睡眠中に呼吸が止まると何が問題なの?

無呼吸が起きると、体内の状態は大きく乱れます。

・ 血中の酸素が不足(低酸素状態)
・ 二酸化炭素が増加
・ 脳が覚醒状態に近づき睡眠が分断される
・ 心臓に強い負担(心拍変動の増加)
・ 血圧の乱高下→動脈硬化が進みやすくなる

その結果、

・ 高血圧(特に治りにくいタイプ)
・ 心臓病(不整脈・心不全など)
・ 脳血管障害
・ 糖尿病などの生活習慣病悪化

などのリスクを高めます。

代表的な症状は 日中の眠気 ですが、眠気が出ない人も多く、

・ 夜間の呼吸苦
・ 夜間尿
・ 起床時の頭痛
・ 熟睡感の欠如
・ 慢性的な疲労

など多様な症状が現れます。睡眠中の呼吸停止が原因でこれらの症状を起こす病態を 睡眠時無呼吸症候群(SAS) と呼びます。


無呼吸を指摘されたらどうすればいい?

まずは 呼吸の状態・睡眠の質を調べる検査 を受けることをお勧めします。
症状が明確でなくても、呼吸器内科や耳鼻咽喉科などで相談できます。

検査では

・ 無呼吸の有無
・ 程度(軽症〜重症)
・ タイプ(閉塞性 / 中枢性)
・ 背景にある病気

まで分かるため、適切な治療につながります。


いびきとは何ですか?

いびきは、空気が狭くなった鼻やのどを通る際に、粘膜が振動して生じる音です。

つまり「いびき=気道が狭くなっているサイン」です。

そのため、いびきが強くなるほど閉塞性無呼吸のリスクは高くなります。

特に、“いびきが途中で止まる” → 呼吸が止まっている可能性が高い、という重要な兆候です。


治療法には何がありますか?

無呼吸のタイプ・重症度によって治療法が決まります。


① 閉塞性無呼吸への主な治療

減量(肥満がある場合)
 しかし減量だけで完治が難しいケースが多いです。

体位療法(横向きに寝る)
 軽症例では有効なことがあります。

口腔内装置(マウスピース)
 下あごを前に出して固定する装置。軽症〜中等症に使われます。

CPAP(持続陽圧呼吸療法)
 中等症以上、または合併症がある場合の基本治療。
 寝ている間にマスクから空気を送り、気道の閉塞を防ぎます。

舌下神経刺激療法(植込み型デバイス)
 CPAPが使えない場合に選択されることがあります。


② 中枢性無呼吸の治療

まだ確立した標準治療はありませんが、

・ 陽圧換気療法
・ 酸素投与
・ 原因疾患(心不全など)の治療

が有効とされています。

患者の会からのメッセージ

私たち「睡眠時無呼吸症候群に打ち克つための患者の会」では、同じ悩みを抱える方々が安心して相談できる場所を提供しています。

最新のCPAPも無料体験可能ですので、気になる方は是非ご相談ください。

詳しくは以下をご覧ください。

無呼吸&いびき相談室

無料でSASの相談や、CPAPの体験ができます


本記事は、医学的アドバイスや診断を目的とするものではなく、内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではありません。記事内容に基づく判断や行動について、当会では一切の責任を負いかねます。健康に関わる重要な判断は、必ず医療機関にご相談ください。

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