睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査。まずは「ESS問診票」でセルフチェック

「昼間の会議中にうとうとする」
「運転中につい眠気がくる」
「テレビを見ているときに寝落ちしてしまう」──。

こうした“日中の眠気”は、疲れではなく睡眠時無呼吸症候群(SAS) のサインかもしれません。

睡眠時無呼吸症候群かどうかをチェックするための第一歩として活用されているのが、ESS問診票(エプワース眠気尺度:Epworth Sleepiness Scale)です。

ESS問診票とは

ESS問診票は、日中の眠気の程度を客観的に評価するための一般公開されている簡易的な質問票です。睡眠時無呼吸症候群(SAS)や過眠症など、睡眠に関連する疾患のスクリーニング(一次判定)に用いられます。

日常生活の中で眠気が生じやすい8つの状況

たとえば
「座って読書をしている時」
「テレビを見ている時」
「車に乗せてもらっている時」
などに対して、
「ほとんど眠らない(0点)」から「ほとんど眠ってしまう(3点)」までの4段階で自己評価します。

スコアリングと評価の目安

8項目の合計点(満点24点)によって、眠気の程度を判定します。

合計点 判定内容
0〜10点 正常範囲。通常の生活で問題はありません。
11〜15点 日中の過剰な眠気(病的過眠)の可能性があります。専門的な検査を推奨します。
16〜24点 睡眠時無呼吸症候群など重度の睡眠障害が疑われます。早期の医療機関受診が望まれます。

なぜESS問診票が重要なのか

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が止まることで脳や心臓に負担をかける病気です。ESSで11点以上の場合、居眠り運転や作業中の事故リスクが一般の方より高くなるといわれています。そのため、この問診票は単なるチェックツールではなく、生活の安全と健康を守るための指標として大切な役割を果たします。

ただし、ESSはあくまで「自己評価」

眠気を自覚しにくい方も多く、実際より低い点数となることがあります。

そのため、より正確な診断のためには、
・パルスオキシメトリー(血中酸素濃度測定)
・終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)
などの精密検査を行うことが望まれます。

また、同居している家族やパートナーの意見も、重要な参考情報になります。

眠気を軽く見ないで

「仕事が忙しいだけ」「年齢のせい」と思っているうちに、睡眠時無呼吸症候群が進行しているケースも少なくありません。もしESS問診票で高いスコアが出た場合は、早めに専門医や患者会へ相談してみてください。

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