下顎が小さい人も睡眠時無呼吸症候群を発症しやすい?
睡眠時無呼吸症候群は「肥満の人に多い」
のですが、実は肥満ではなくてもSASになる可能性があります。
その大きな要因は顎の形で、下あごが小さく、後退している場合、「舌根」が落ち込み、気道が狭くなりやすく、睡眠時無呼吸症候群(SAS)を引き起こす要因となります。
特に、日本人の場合は約3割の患者は肥満ではないという報告もあります。
(参考文献:「睡眠呼吸障害Update」井上雄一, 山城義広編著 ライフ・サイエンス社)
欧米人の骨格と比較した場合、日本人は民族的に元来、上気道の構造が小さく、睡眠時無呼吸症候群になりやすいのです。
これは女性にも当てはまることですし、さらに現代社会では食生活の変化などで顎が小さくなり、後退する傾向にあるので、今後、肥満でなくても、顎の形状が原因で睡眠時無呼吸症候群になる方が増えることが予想されます。
顎が原因ならマウスピース治療の検討を
睡眠時無呼吸症候群の治療法としてはCPAP(シーパップ)を使うことが当たり前になっていますが、このように下顎が小さいことが原因で睡眠時無呼吸症候群になっている患者さんには、マウスピースでの治療がおすすめです。
マウスピースは、これを装着して下顎を上顎よりも前方に出した状態を保持することで、睡眠時にも気道を確保しやすくする治療法です。保険適用のものもありますし、口を動かすことができる保険適用外のマウスピースもありますので、自分に合ったものを選んでいただければと思います。
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