肥満症治療薬が睡眠時無呼吸症候群の治療にも効果?
私たち睡眠時無呼吸症候群の患者にとって、気になるニュースがありましたので共有させて頂きます。
”6月21日、米製薬大手イーライリリーは、「ゼップバウンド(一般名チルゼパチド)」について、2つの後期臨床試験で中等度から重度の閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)症候群患者の最大52%で症状の解消に効果があることが示されたと発表した。”
とのことで、睡眠時無呼吸症候群の治療に肥満症治療薬の効果が認められたとのことです。
もう少し詳しい報道内容は以下の通りです。
”イーライリリーは4月、ゼップバウンドがOSA患者の不規則な呼吸の発生回数を最初の試験で55%、2番目の試験で62.8%減少させたと公表した。最初の試験では患者にはチルゼパチドを単独で投与し、2番目の試験では同薬と、睡眠中に気道を開いて肺に空気を送り込む持続的気道陽圧(PAP)法を併用した。
この日はフロリダ州オーランドで開かれた米糖尿病学会の学術会合で両試験結果の全容を発表。チルゼパチドを単独で投与した患者では43%、同薬とPAPを併用した患者では51.5%、それぞれOSA症候群の症状が解消した。
疾患解消の定義は、睡眠中の呼吸が浅いか無呼吸の状態が1時間当たり5回未満、もしくは睡眠中のこうした症状が5~14回で日中に過度の眠気を感じない状態。”
肥満の薬がなぜ睡眠時無呼吸症候群にも効くのか?
首回りや喉の裏側に脂肪がつくと舌が押し出され、気道が確保しにくくなります。このほかにも、いろいろな部位に脂肪がつくことで周囲から圧迫されて気道が狭くなり、いびきや閉塞性睡眠時無呼吸が生じやすくなります。
体重が10kg増えるごとに閉塞性睡眠時無呼吸症になる確率は2倍になるとも言われているように、肥満と無呼吸症候群には強い因果関係が存在します。
ただし、みなさんもご存知の通り、体重を減らすのは、地道にダイエットに取り組むか、手術などで脂肪を除去するなどの方法しかなく、睡眠時無呼吸症候群だからといってそう簡単に体重を減らすことができないのが実際のところです。
そういった点からも、このような薬によって睡眠時無呼吸症候群の根幹的な治療ができるとすれば、私たち患者にとっては朗報です。もちろん国内で実用化されるまでにはそれなりに時間がかかると思いますが、まずは、そうしたニュースがあったことを皆さんにもお伝えさせて頂きました。
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