無呼吸症候群だから知っておきたい【睡眠不足が身体に与える影響】
私たち睡眠時無呼吸症候群の患者は
なかなかうまく眠れずに困っているわけですが、そもそも睡眠不足は、身体にどのような影響を及ぼすのでしょうか。
睡眠が全身の健康や体調に非常に重要な役割を果たしていることが、いろいろな研究からますます明らかになってきています。今回は、そのような最新の研究結果から、私たち自身や、あなたの大切な人が抱えているかもしれない睡眠不足の5つの影響についてご紹介させていただきます。
1. 睡眠不足は寿命を縮める
イギリスの研究者たち“Whitehall II Study,” British researchersは、睡眠時間が5時間未満だと心血管疾患による死亡リスクも2倍になることを発見しました。
2. 睡眠不足は太る
シカゴ大学の研究では、一晩の睡眠時間が6時間未満の人は、6時間から9時間の人よりも30%太りやすく、肥満になりやすいと報告されています。
これは、レプチン(満腹感を感じさせ、脂肪の蓄積を調節するホルモン)が、定期的に5時間以下しか眠らない人では15.5%も低いことによると考えられています。
逆に、睡眠時間が短いと、グレリン(空腹感を刺激するホルモン)が増加し、一日中空腹を感じれば、食べる量も増えるということになります。
3. 睡眠不足で物忘れがひどくなる
睡眠不足の影響は脳にまで及びます。3日連続で5時間以下の睡眠が続くと、脳細胞が傷ついたり死んだりします。やがて脳は、アルツハイマー病や認知症の原因となるプラーク形成タンパク質を除去できなくなります。
ちなみに記憶を定着させるためには、2009年にアメリカとフランスの研究者によって発見された「リップル波(sharp wave ripple)」(=海馬で見られる150~250Hzの高周波の脳波)が脳には必要です。
「リップル波」をより多く得るには、睡眠が必要であり、研究によると、リップル波が最も頻繁に現れるのは、睡眠時間が長いときに起こる最も深い眠りの時だとのことです。
4. 睡眠不足は老け顔を加速させる
睡眠不足の最初の兆候として、目が腫れぼったく、充血している状態が現れます。そして時間が経つにつれ、小じわやたるみ、目の下のクマにつながります。
体を健康に保つには、ヒト成長ホルモンが必要であり、睡眠をとると、体が修復され、骨が丈夫になり、皮膚が厚くなってくるので、肌のためにもやはり睡眠は重要です。
5. 睡眠不足は病気になるリスクを高める
睡眠不足が続くと免疫力が低下し、ウイルスや病気を撃退することが難しくなります。睡眠不足が免疫系に及ぼす影響は、病気になっても回復を遅らせ、ウイルスや細菌に感染した後に病気になるリスクを高めます。
睡眠中に体内で分泌されるタンパク質であるサイトカインは、病気になると感染や炎症に対抗するために増加します。睡眠不足は、これらのタンパク質の産生を減少させる可能性があります。
これらのリスクを減らすには?
答えは簡単です。もっとうまく睡眠をとることです。しかし私たち睡眠時無呼吸症候群の患者は、まさにそこで苦労しているわけです。
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