サマリー(要約)

一時は「死も覚悟した」ほどの重症となり、いろいろな治療法を試してきた。
現在は固定式でないマウスピースを装着することで快適な睡眠を取り戻せている。

寝ているつもりでも眠れていない。知らないうちに命を削っている

先日、「マウスピースを装着せずに寝るとどうなるか」といった検証用の録画のために、少し怖かったですが、久しぶりに敢えてマウスピースをつけずに寝てみました。

朝起きた時には無呼吸だった自覚はなかったので、マウスピースを外していても無呼吸が改善したのかと思ったものの、録画を見てみたらやはり無呼吸になっていました。

無呼吸が「自覚できていない」ことが恐ろしい

だから勝手に改善したと思って、CPAPなりマウスピースなり、安易に外すのはやめた方が良いと思います。

それと無呼吸を自覚していない人も本当に多いんだろうと思います。
自覚していなければ、録画したりして自分の状態を確認もしないでしょうし・・・。

かなり重症だった、私の睡眠時無呼吸症候群

さて、今はマウスピースのおかげできちんと眠ることができている私ですが、そこに至る経緯についてお話ししようと思います。

私はかなり重症であり、不整脈にもなりました。
寝ている間に呼吸ができなくなることとで、心臓に相当な負担がかかっていたのだと思います。
無呼吸になって夜中に飛び起きて、しばらく呼吸が整わずに、動悸が激しくなったこともよくありました。

あれはまさに溺れた状態であり、本当に苦しかったです。
ちなみに無呼吸の症状が続くと低酸素状態となり、心臓や血管に負担がかかり、心筋梗塞や脳梗塞、高血圧、不整脈の原因になるとも言われているようです。

ですから心筋梗塞や心不全、脳梗塞などの死因の発端が、実は睡眠時無呼吸症候群だということも多々あるのではないでしょうか。

きちんとした睡眠をとる。これが本当に大事

当時は突然眠気が襲ってくるので、打ち合わせ中でも寝落ちしてしまいました。
車で事故を起こしてしまったこともあります。
いびきがひどくて新幹線の中で車掌さんに起こされたこともあります。

無呼吸になっていると、活力が湧かないし、頭も働かない・・・。
でも周囲からはなかなか理解されない・・・。

やはり人間にとって、きちんとした睡眠をとることが本当に大事なのだと痛感します。
中には、いびきをかかないけれども呼吸が止まる人もいます。これも自覚がないので怖いです。

睡眠時無呼吸症候群は女性にも多いようですので、女性の方も他人事ではないと思います。

そしてCPAP以外の治療法探しの沼にハマる・・・

CPAPを装着することができればまずは楽になります。
私も検査入院をして最初はCPAPで救われました。
しかし鼻詰まりの場合には鼻呼吸ができないので、風邪の時や、花粉症の人は本当に苦労しているようです。

自分の場合はCPAPの強制的に空気を送り込んでくる感じが苦手で、CPAPが合わず、きちんと装着して眠ることがなかなかできませんでした。だから他の治療法がないかと無呼吸の専門医にも行きましたし、いびきのクリニックにも行ってみました。インターネットでも散々探してみました。

そのような中で、保険適用のマウスピースを使ってみたり、レーザー治療なども検討しました。
あるいはCPAPを購入して自宅でも使ってみました。

それぞれの治療法にはメリット、デメリットがありますが、結果的にはなかなか自分には合うものがなかなか見つけることができませんでした。

レーザー治療は高血圧でNGに

レーザー治療は口蓋垂(喉ちんこ)を焼くことで、喉が詰まらないようにする治療方法です。
3~4回で治療効果が実感でき、症状によっては5回以上治療を行う事もあるようです。
その後は1年間以上効果が持続するとされていますが、6ヶ月~1年でメンテナンスの治療が推奨されているようです。

もちろんレーザー治療がフィットする方もたくさんおられると思いますが。しかしこのようにレーザー治療は治療効果を得るまでに何回か通う必要があるので自分の場合は、そこまで待っていたら死ぬかもしれないという不安が大きかったことと、血圧が150あったために血圧が高いと治療できないと言われ、この方法は試すことができませんでした。

CPAPの輸入品も購入

CPAPの輸入品を自分で調べて入手もしました。

個人輸入でしたのでそれなりのリスクも伴いましたが、幸いにも特に問題なく使用できました。
これで自宅でもCPAPを使えるようになり、すごく楽になりました。
CPAPの装着に問題がないという方は、ぜひ試して頂ければと思います。

保険適用のマウスピースも使用

保険適用のマウスピースも試しました。

マウスピースは下顎を前に出すことで舌根沈下を防ぐ治療方法です。
しかし、保険適用で使うことのできるマウスピースは、マウスピースをはめると口が固定され、自由に開くことができなくなるので、寝ている時に結構無理があります。
自分の場合はすぐに外してしまうので、あまりうまく使えませんでした。

また、下顎を出すことになるので、わずか1mmの違いでも肩こりや頭痛になる可能性があります。
私もそれで辛い思いをしました。

私の場合は、最終的には同じマウスピースでも主に欧米諸国で実績のある、「口が固定されず、顎を上下に動かすことができる可動タイプのマウスピース」を探し当て、現在はそれを装着して就寝しています。
CPAPも不要となり、マウスピースだけで済むので持ち運びも楽になり、宿泊先でも使うことができています。
また下顎を何ミリ前に出すかについて自分で調整できるタイプのものを使っているので、いちいち医者に通って調整してもらう必要がないのも助かっています。

もちろん保険適用のマウスピースでうまくいく人はそれで良いのですが、インターネットで患者さんの声を読んでいると、私と同じようになかなかうまく使えない人も少なくないようです。
固定式のものだけを試して、使いにくいからと言って、マウスピースをそれだけで諦めてしまっている方が多いのは残念です。私が使っているマウスピースは残念ながら現在は保険適用外になりますが、これを装着するだけで呼吸が止まらずに、楽に眠れるようになるのであれば決して高くはないと考えています。

CPAPよりも先に、まずはマウスピースを試す流れを

現状は睡眠時無呼吸症候群で医者にかかると、治療法としてほぼ無条件にCPAPから入ることになります。

CPAPには私も救われましたし、それ自体は優れた治療機器であることは疑う余地はありません。
しかし慣れるまでに時間がかかる人や、花粉症の人などでうまく使えない人もいます。
また検査入院をしたり、装置がそれなりの大きさで、マスクをした姿も結構大袈裟なので、特に女性の場合はCPAPを着けることに抵抗がある人も多いのではないでしょうか。
また私のように空気を強制的に送り続けられることへの違和感が克服できないという人もいるでしょう。
あるいは気軽に道運びができず、出張先や旅行先に持っていくのも大変で困っている方もいると思います。

そこで、いろいろと長い時間をかけて治療方法の試行錯誤を続けてきた私の経験から申し上げたいことは、「CPAPからではなく、まずはマウスピースから試した方が患者としては楽」だということです。
つまり、「入院や手術も不要で、もっと楽な入口」があっても良いと思うのです。

とはいえ保険適用のマウスピースや、ましてや保険適用外のマウスピースのことは国内ではほとんど知られていません。それらの情報共有を進めつつ、患者にとっての選択肢を広げ、最初からもっと楽な治療法を試すことができる流れを作っていくことができれば良いと考えています。
(念の為、繰り返しますがCPAPを否定するつもりはありません。治療法を試す順番を変えていけないかということです。)

以上、私の治療の経緯と、その経験からの思いをお話させていただきました。
少しでも皆様の参考になれば幸いです。