スマホの「いびき録音アプリ」で無呼吸は確認できますか?信頼しても良いのでしょうか?

患者の会にお寄せ頂いた質問や、やり取りの中から、共有しておいた方が良いと思われるものを順次記事化しています。皆様の参考になることがあれば幸いです。


最近はスマホの“いびきアプリ”で睡眠をチェックする人が増えていますが…

診断ツールとしては不十分

アプリは便利ですが、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診断はできません。
一方で、「受診のきっかけを作る」という意味では非常に有用です。

ここでは、アプリができること・できないことを明確にお伝えします。

いびきアプリで分かること

スマホアプリが解析しているのは主に振動です。

アプリで分かるのは以下のような情報

・ いびきの回数
・ いびきの音量
・ いびきの発生タイミング
・ いびきの録音(音声データ)
・ 呼吸が「止まっているように聞こえる」間

これらは、「無呼吸かもしれない」サインを早期に察知する役割としては非常に役立ちます。

しかし、アプリには重要な“決定的な限界”があります

睡眠時無呼吸の診断に必要な本質的な情報,それは 血中酸素の低下(SpO₂) です。

いびきアプリは、以下を測定できない

・ 酸素飽和度(SpO₂)が何%まで下がったか
・ 10秒以上の無呼吸が何回あったか
・ 無呼吸のタイプ(閉塞性 or 中枢性)
・ 心拍数の変化
・ 脳波による睡眠の深さ

つまり、アプリがどれだけ精度をうたっていても、医学的には「無呼吸の有無を判定するデバイス」にはなりません。

ちなみに酸素飽和度(SpO2)測定アプリは、スマートウォッチ連携型(Apple Watch, Fitbitなど)と専用機器連携型(オムロンなど)、そして手入力・記録管理型の3種類に大別され、手首で測れるものや、専用パルスオキシメーターとBluetoothで繋いでデータを自動記録・グラフ化し、健康管理に役立てられますが、多くは医療目的ではなく、診断には使えません

アプリが“誤判定”しやすいケースもある

・ 音が大きないびき → 無呼吸と誤解
・ 静かな睡眠 → 正常と誤解
・ 寝返り音や布団の擦れる音を「いびき」と誤判定
・ 横向きに寝た時は音が減るため「改善した」と誤判定

いびきの音の強さと、無呼吸の重症度は必ずしも比例しません。

では、アプリを使う意味は?

アプリは“診断はできない”ものの、次のような役割では非常に有効です。

①本人が気づきにくい睡眠の様子を“見える化”できる

いびきの録音は、

・ 睡眠が乱れている時間
・ 呼吸停止らしき静寂
・ 家族の証言の裏付け

として医師に非常に役立ちます。

②受診のタイミングを判断しやすくなる

アプリで

「いびきが多い」
「いびきが突然止まる」
「無呼吸らしい時間がある」

といった結果が出たら、受診する明確な根拠になります。

③治療後の変化を見る“補助ツール”として使える

CPAP使用後、いびきが改善したかどうかをモニターする参考にもなります。

では、無呼吸を正確に調べるにはどうすれば?

答えはシンプルで、医療機関の検査(簡易検査 or PSG)しか方法がありません。

自宅で行う簡易検査

・ 指や鼻にセンサーをつけて寝るだけ
・ 無呼吸の回数、酸素低下がわかる
・ 初めての方でも簡単で負担が少ない

精密検査(終夜睡眠ポリグラフ:PSG)

・ 脳波、心電図、呼吸、酸素などを詳細に測定
・ 確定診断ができる“ゴールドスタンダード”

アプリはあくまで「きっかけ」ですが、検査は「診断」に必要不可欠です。

こんな結果がアプリで出たら、受診のサイン

・ いびきが突然止まる
・ 呼吸が苦しそうな音
・ 「グッ」「ガッ」と息を吸い直す
・ いびきの音量が非常に大きい
・ 日中の眠気・起床時の頭痛・倦怠感がある

これらは、睡眠時無呼吸が疑われる典型的なサインです。

ここを押さえてください

・ いびき録音アプリは「無呼吸の診断」には使えない
・ しかし「気づきのきっかけ」としては非常に役に立つ
・ 無呼吸かどうかは酸素低下が必須データ
・ 正確に調べるには医療機関の検査が必要
・ アプリで異常が見えたら、受診のタイミング

アプリは“便利な補助ツール”であり、“診断ツールではない”ことをキモに銘じてください。
気になる結果が出たら、早めの検査がおすすめです。

患者の会からのメッセージ

私たち「睡眠時無呼吸症候群に打ち克つための患者の会」では、同じ悩みを抱える方々が安心して相談できる場所を提供しています。

最新のCPAPも無料体験可能ですので、気になる方は是非ご相談ください。

詳しくは以下をご覧ください。

無呼吸&いびき相談室

無料でSASの相談や、CPAPの体験ができます


本記事は、医学的アドバイスや診断を目的とするものではなく、内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではありません。記事内容に基づく判断や行動について、当会では一切の責任を負いかねます。健康に関わる重要な判断は、必ず医療機関にご相談ください。